3DEXPERIENCE WORLD 2023 振り返り

2023.8.21

お知らせ

みなさま、こんにちは。マーケティング担当です。

先日、ソリッドワークス・ジャパン様より2枚の盾をいただきました。
写真ではちょっと見にくいですが、「TOP RESELLER AWARDS JAPAN」の「STRATEGIC BOOKING CONTRIBUTION」と「DIAMOND CLUB WW – VAR」です。「VAR」とは「Value Added Reseller」の略で、製品に付加価値を与えて提供できる代理店ということですので、お客様に喜んでいただきたいと活動してきたことが認められて嬉しいです。

実は、表彰式は2月13~15日にアメリカのテネシー州ナッシュビルで開催された3DEXPERIENCE World 2023の中で行われ、弊社からはエンジニアの2名が参加していました。そのときの様子を彼らのレポートから振り返ってみたいと思います。

◆ 3DEXPERIENCE WORLD ~ DAY1 ~

●ジェネラルセッション

Gian Paolo Bassi氏 SVP & 3DEXPERIENCE Works & Customer Role Experience, DASSAULT SYSTEMES

環境やサステナブルというテーマで、自立型自動運転の車や、見るだけではなく指先のデバイスでバーチャルに触ったり温度を感じるデバイスの事例、また、海のプランクトンや波のエネルギーを利用して二酸化炭素を回収する装置の事例が紹介されました。将来の希望を見出し、展望を抱く技術革新を、テーマであるIMAGINに沿った内容で紹介しているのだと感じました。

注目される内容として、今後SOLIDWORKSとプラットフォームの関係をより親密にする製品構成が発表されていました。

Bernard Charlès氏 Chairman & Chief Executive Officer, DASSAULT SYSTEMES

シミュレーション、メタバース、医療、AIというキーワードがいくつか出ていましたが、私は、AIを使って、既存製品のモデルからスペック分析やスキャニングや改良を行い、より良い製品に変える技術の提案に注目しました。

Manish Kumar氏 DASSAULT SYSTEMES SOLIDWORKS CEO

「共に働く」をキーワードに、SOLIDWORKSがクラウドに繋がることで、コミュニケーションが円滑になると共に、サプライチェーンの各関係者やダッソーブランドの各アプリが連携し、共にプラットフォーム上で働くということを強調していました。

Suchit Jain氏 VP Strategy & Business Development,DASSAULT SYSTEMES

3DEXPERIENCE Works スタートアップの事例紹介ということで、以下の事例を紹介していました。

  • 「VERVE MOTION ウェアラブルロボット」
  • 「TAITANS of CNC」
  • 「EXOSAPIEN TECHNOLOGIES パイプフレームの大型ロボット」
  • 「心臓外科 患者の心臓モデルと使った手術のプランニング」

会場に展示されていた大型ロボット↑→

●基調講演

Jamie Siminoff氏 CEO, Founder & Chief Inventor, Ring社(ホームセキュリティ)

製品が大事なのではなく製品が何をするのか(ホームセキュリティでは犯罪を減らすこと)が大事であり、達成できるゴールの設定と適切な負荷をかけることが必要です。AIはしょせん過去の技術を学習しているだけで、創造は人が行うべきといった言葉が印象に残りました。

●その他多くのセッション

非常に多くのセッションが用意されており、日本から参加できた前回の3DEXPERIENCE World 2020からさらに進化し、SOLIDWORKS製品だけでなく3DEXPERIENCE Platformの各アプリの機能を具体的に紹介するセッションが多い印象で、多数の参加者が熱心に耳を傾けていました。

◆ 3DEXPERIENCE WORLD ~ DAY2 ~

●ジェネラルセッション

いくつかの事例紹介の中で印象的だったものを紹介しましょう。

Ryan Okelberry氏 Co-Founder/Mechanical Engineer, House of Design

【クラウドでのSOLIDWORKSデータの運用】

印象的だったのは、HOUSE of DESIGN社による建築系の事例です。工場で作成した建築部材というよりは建築コンポーネントを組み合わせて、効率的かつ合理的に建設を行っていました。工場ラインの設計もSOLIDWORKSで行われ、SOLIDWORKSで再現した無人化された工場で、アーム型ロボットによる木材のカットから建築コンポーネントの製造を行う様子が紹介されました。SOLIDWORKSのリアルな工場レイアウトモデルを利用し、プラットフォーム上のビュワーアプリである3DPlayでレビューしながら、ブックマークアプリを使ってタグ付けされた関連部品を素早く検索するなど、SOLIDWORKSデータとプラットフォームを組み合わせて運用する設計者のメリットを感じることができました。さらに、タブレット端末を使い、工場ラインのSOLIDWORKSモデルをプラットフォームのホワイトボードに貼り付け、手書きのコメントやポンチ絵を入れながらアイデアをプラットフォームのデータとして残している様子も紹介されました。デバイスや人の垣根を取り払ったSOLIDWORKSデータの運用が見えてきます。

Romain Perron氏 CATIA R&D Engineer, DASSAULT SYSTEMES

【SIMULIAブランドの拡張性】

Simulationの最適化機能をいくつか紹介していました。SOLIDWORKS Simulation Professionalの機能であるデザインスタディを使った最適化の機能のような寸法最適化を行っていました。また、構造物の指定領域をラティス構造に変換して異なるラティス構造で構造解析の結果比較を行ったり、トポロジー最適化を行い、こちらも最適化後のジェネレーティブな形状で構造解析を行うところを紹介していました(ただし、アプリのタイトルバーに「CATIA」の文字が含まれており、将来的なアプリケーション拡張の指標として紹介されたのかもしれません)。それぞれで導き出された最適化された構造のモデルに対して、「コスト」「環境依存性」「デリバリー」といった情報も求めることができており、プラットフォームによって繋がりを持った各アプリの拡張性に期待できそうです。

●参加した注目のセッション

サブディビジョンモデリングのアプリ xShape をテーマにした「サーフェスモデリングとパラメトリックモデリング Tips & Techniques」というセッションに参加しました。これまでxShapeを使っていた私でも知らない機能をTips的に紹介しており、カーブにサブディビジョンのエッジを合わせるテクニックや、サブディビジョンの面をフラットにするテクニックなど紹介していました。

特に注目したのが、SOLIDWORKSとxShapeを連携させたモデリングです。SOLIDWORKSのロフトやスイープで上手く繋がらなかった面を、xShapeを使って綺麗に接続しており、私自身も試してみようと思いました。

ぜひ、テクノソリューションズでサブディビジョンモデリングのマイスターとなるエンジニアを育成し、テクニックやコツをユーザーの皆様に情報やトレーニングメニューとしてお届けしたいと思います。

●注目の展示物

DriveWorksのデモを見てきました。DriveWorksはコンフィギュレータツールと呼ばれるアプリケーションです。製品の仕様などのパラメータを入力すると、設計意図やルールに従ってSOLIDWORKSモデルがパラメトリックに変更され、図面や部品表、見積りや仕様書など、必要なドキュメントまで自動生成されます。ちなみに、DriveWorksXpressという簡易版として機能を限定したメニューがSOLIDWORKSに付属されていますので、ご興味のある方はお試しください。

◆ 3DEXPERIENCE WORLD ~ DAY3 ~

最終日には、クロージングのジェネラルセッションやアワードが行われました。

●クロージングジェネラルセッション

3DEXPERIENCE Platformの事例紹介のなかでは、SOLIDWORKSを大学で学んだ女性エンジニアが3DEXPERIENCE SOLIDWORKSを導入したスタートアップ企業で活躍している事例や、起業家の女性が半年で3DEXPERIENCE SOLIDWORKSを使いこなしている事例など、女性にフォーカスして紹介していました。

プロの女性ポーカープレーヤーのプレゼンテーションも行われました。ポーカーで勝てるのは運ではなく、なぜ勝ったかを分析して次に繋げることが重要であり、下記のようなさまざまな要因が関与していると話していました。

暗算、統計、ゲーム理論、物理的な合図、心理学、言葉の手がかり、感情のコントロール

これはビジネスにも言える話で、ビジネスでなぜ勝てたのか、またなぜ負けたのかを分析することで、勝率を上げることが可能であるという内容でした。

●アワード

「TOP RESELLER AWARDS JAPAN」の「STRATEGIC BOOKING CONTRIBUTION」と「DIAMOND CLUB WW – VAR」をテクノソリューションズが受賞しました。

振り返ってみると、あっという間でしたが、「環境」「サステナブル」「バーチャル」「AI」というキーワードから連想される新しい取り組みが世界中で行われており、その技術革新に3DEXPERIENCE Platformが大きく貢献できるプラットフォームであることを実感できました。

テクノソリューションズは、これからもお客様に選ばれ喜んでいただけるよう邁進してまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

ちなみに、次回、3DEXPERIENCE World 2024の開催地はダラスという発表がありました。
実はユーザーの皆さまも参加できますので、一緒に最新の情報を収集しに行きませんか?
…とはいっても実際に現地に行くのは難しいと思いますので、きっと同時開催されるであろうオンラインの配信でご一緒しましょう。