こんにちは、テクノソリューションズ技術支援部 新人の安居です。
初心者目線でSOLIDWORKSの機能をご紹介したブログがたくさん皆さまにご覧いただけているということで、シリーズ3回目を担当いたします。
1回目⇒「初心者目線のSOLIDWORKS【推しの3機能】」
2回目⇒「初心者目線のSOLIDWORKS【推しの3機能】~宮田編~」
私は前職で機械設計をしており、いくつか2Dと3DのCADソフトを使用して業務を行っていました。
SOLIDWORKSとは全く異なる仕様のものもあり、SOLIDWORKSを使用している今では、
「設計していた時にこの機能欲しかったな…」と思うものも多々あります。
その中で、今回は私が“使える”と思うお気に入りの機能を3つご紹介させて頂きたいと思います!
SOLIDWORKSの推し機能①
エンティティの置き換え
1つ目は、「エンティティの置き換え」という機能です。
機能説明:
スケッチ エンティティを別のエンティティで置き換えた場合、新しいエンティティには、元のエンティティにリンクされた参照を維持できます。
設計者メリット:
設計変更をする際、変更前と後のエンティティ指定だけで完了します。設計変更に伴うエラーを回避するテクニックのひとつです。
履歴の有無に関わらず、主となる外形に関わる形状を後から修正するのはなかなか大変です。
主となる形状の後に作成した穴やカットなどの要素は、先に作ったものと関連づいているので、
順番を間違えると構築できなかったり、形状によってはほぼ作り直しなんて事もあります。
そんな設計変更において覚えておきたいのが、
「元の情報を保持したまま、こちらが新しい要素ですよ」と要素を置換える操作であるこちらです。
私が以前使用していたCADソフトではこの機能が無く、
歯を食いしばりながらほぼゼロから作り直した経験がある為、この機能を知った時は感動しました。
毎回使用するわけではありませんが、覚えておくと役立つ、私の大好きな機能のひとつです。
SOLIDWORKSの推し機能②③
エンティティオフセットと エンティティ変換
2つ目にご紹介したいのが「エンティティオフセット」、3つ目が「エンティティ変換」です。
こちら2つの機能は、類似機能なのでまとめてご紹介します。
最大の魅力は、いずれも基準の要素の変更に追従するというところです。
エンティティオフセット機能説明:
基準となるエンティティからのオフセット情報を保持してオフセットします。
エンティティ変換機能説明:
既に作成したモデルのエッジなどを、異なるスケッチに転写する時に使用できる機能です。
設計者メリット:
設計変更があった場合、それに付随する箇所の修正にかかる手間を最低限に抑えられます。
これだけだと便利さが伝わらないですよね。例えばどちらも基準をφ10の円だとします。
◆エンティティオフセット
2D CADご使用経験のある方には特に馴染み深いオフセットですが、こちらは一味違います。
φ10の円を基準に5㎜オフセットしてφ20の円を作り、その後、この基準をφ10からφ20に変更したとします。
普通であれば、オフセットして作成したφ20は修正の必要がありますよね。
しかし、「エンティティオフセット」なら、「基準から5㎜オフセット」という情報を保持するため、
基準がφ20に変更されれば、オフセットで作成したφ20の円も、φ20+5×2で自動的にφ30にしてくれます。
◆エンティティ変換
基準となるφ10の円を押し出した円筒のエッジを、異なるスケッチに「エンティティ変換」で転写したとします。
その後で基準のモデルの径がφ10からφ20に変更された場合、エンティティ変換で転写したスケッチは、変更に追従し、そっくりそのまま同じくφ20に自動的に変更されます。
この場合、同じ弧ならば個別に寸法入力する手間も編集の手間も半分で済むという事ですね。
今回は単純な円を例に挙げましたが、これらは「もう一度スケッチを描いて定義するのは面倒だな」というものほど、効果的です。
さらに基準と全く同一ではなく、一部を変更しても追従してくれるところがミソになります。
設計変更があった場合、それに付随する箇所の修正は複雑なモデルほど大変です。
こちらの2つは、付随箇所の修正忘れや手間を省くのにも使える汎用性の高い機能だと思います。
手数をなるべく少なく済むように出来れば、ミス回避や工数削減に繋げられるので是非活用して頂きたい機能です。
他のCADを使用していたうえで感じたことを率直にお伝えしました。
今回ご紹介した3つの機能は使いどころによっては、格段に効率化を図れますので、設計変更を考慮してぜひ使用してみてください。
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